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【だしとりレポート】サメ節 2

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前回レポートから随分と時間が経ってしまいましたが、話題のサメ節を実際に料理に使ってみての感想を私の独断と偏見で勝手にレポートするコーナーの第二弾です。前回は豚肉と野菜の煮込みを作って美味しさを堪能しましたが、今回は、サメ節がブレンドされた粉削りを使っての味わいのレポートです。

 

青森県は、実は平均寿命が短命ということでも有名な県でして、とにかく塩辛いものが好きだったり、ラーメンはスープまで全部飲むだとか言われていまして、それではいかんということで、官民一体となって減塩に取り組むプロジェクトが行われていまして、減塩には「ダシ」を効かせると、物足りなさを減らして美味しく過ごせるということで、「できるだし」というシリーズで青森県内の各種メーカーが同じロゴを使って出汁の商品を展開しています。

そんなシリーズの中に、田向商店さんのサメ節もラインアップしています。

今回は、その商品を使ってレポートしたいと思います。

 

いただいた商品は2種ありまして、ひとつは「かつお・さば」がブレンドされた粉削り、もうひとつは「煮干し」がブレンドされた粉削りです。昆布や椎茸なども入っているようなので、この粉だけあれば他は何も入れずにおいしい出汁が取れそうです。

せっかく2種類ありますので、それぞれを味わってみたいと思います。

 

かつお・さばブレンドでそばつゆを作る

かつお節とサバ節が入っていると言われれば、めんつゆ系が合うでしょう。ということで、そばつゆ作って味わってみましょう

今回は

●サメ節ブレンド  6グラム

●水  210cc

●かえし 70cc

の配分にすることにしました。かえしは自家製で長年注ぎ足してストックしてあるものです。かえしの作り方は過去の記事をご覧ください。

まずは、水から出汁を取ることにします。

弱火で5分ほど煮てみました。

口当たりがザラザラするのも嫌なので、晒布で濾します。

かなり濃い目の出汁が出ています。

ここに、自家製のかえしを加えて、覚ませば完成です。うん簡単だ。

今回は、信州そばで味わってみます。

いただきまーす。

ズズズズズー。

 

お、おおおお。

こ、これは。。。

 

ちゃんとそばつゆになっている!(当たり前だけど)

 

でも、ちゃんとサメの味がします。独特のサメ感。田向さんは、サメ節は素材の味が引き立つとおっしゃっていました。うん、なるほど。確かに蕎麦そのものの味が伝わってくる。でも、なんだろうなこれ。サメ感はガッツリあるんです。だから、口にした瞬間に蕎麦の香りが立つわけではないんです。後引く伸びが非常に長いので、口の中でもぐもぐやっているなかで出汁の香りが去ったあとに、旨味と蕎麦の香りが残るという感じが正しいような気がします。うん、不思議だ。おいしい。

こういう言い方が正しいのかわかりませんが、良い意味で田舎臭い味がします。サメ独特の匂いがあいまって、決して洗練されている感じではないのですが、どこか荒々しくも旨味が感じられる独特の世界。ハマると絶対ハマル味。都会にはない感じ。更科蕎麦よりも、十割の田舎蕎麦が絶対に合う。何が良い悪いじゃなくて、そういうマッチングが良いはず。

私、20歳くらいの頃、モツ煮と日本酒のセットが大嫌いだったんです。おじさんたちの巣窟のような居酒屋さんおで独特の匂いと安い日本酒が口に入った瞬間に吐きそうになったんです。でも、40代になって、いまではモツ煮も安い日本酒も大好きになってしまっています。うまく例えられないのですが、そういう感じがします。サメ節は人生経験を踏むともう味あわずにはいられないココロの友になる気がするんです。それくらい独特の特徴があるんですよね。うん。

煮干しブレンドで味噌汁を作る

さてお次は、煮干しブレンド。

煮干しとくれば、まずは味噌汁でしょう。日本人のハートオブスピリットを味わってみましょう。

具は、王道の王道、ネギとわかめの油揚げと豆腐にします。味噌は手前味噌です。

普通なら、出汁を引いてからやりますが、今回は「だし粉」。だし粉は濾す必要もなく顆粒出汁のように使って良いものなので、最後に入れることにしました。

ということで、お湯に、火の通りにくいものの順番に具材を入れて煮ていきます。

こんな感じで、出汁も味噌も入っていない具だけの素にしまして、日が通ったところで、出汁粉を入れます。

弱火で、しばらく出汁粉を行き渡らせたら、火を止めます。

お味噌を溶いたら完成です。

できました。美味しそう。

当たり前だけど、味噌汁になっています。良い香り。

では、いただきます。

ズズズズー。

お、おおおおお。

味噌汁だ!なんだそりゃ。

うん、これはマイルドでおいしい。不思議と甘味を感じます。粉のざらつきも気になりません。顆粒やだしパックで手抜きしたものでない、ちゃんと手間がかかった味噌汁の味がします。

実際にはまったく手間がかかっていないのに、その味がするのが素晴らしい。

サメ感はほとんどしませんね。味噌が程よく包み込んでくれているのかもしれません。これならクセもなく味わうことができます。素晴らしいです。粉が入っていますから、出汁の栄養も全部摂取できてしまうのも素晴らしい。そして、サメ節の特徴である口の中にうま味がズーンと長く伸びる感じは健在。何気ない味噌汁が随分と力強くなった感じがして良い感じ。これは使えます。

 

最近、世の中につくづく疑問なのですが、なんで粉削りを普通に使わないんだろうと思います。顆粒と同じ手軽さなのに。もっとこの良さを伝えたいです。

 

まとめ

ということで、今回は、サメ節の粉2種類を料理に使って味わってみました。

まだいろいろな料理に使うことで発見や面白さが出てくるような気がしました。出汁といえば鰹節や昆布などが王道になりがちですが、日本全国津々浦々、実に様々な素材が溢れています。その良さの気づきになれば良いなと思いました。

作り手物語含め、このシリーズは今後もずっと続けていきたいと思います。

田向さん、ありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしています。

-UMAMI, 作り手物語, だしについて

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