今日は、渋谷のヒカリエで行われていた「良い食品博覧会」の食の語り部のチョーコー醤油さんの講座に参加してきました。
醤油の原料である大豆に関してのお話をメインに興味深い話を聞きました!
醤油の原料といえば、大豆ですが、その大豆に関しての意識がそもそも無かったことに改めて気がつかされたのです。
世間の醤油の8割は大豆油をとった残りカスが原料
なんと、醤油の原料はほとんどが脱脂加工大豆からできていました。
この脱脂加工大豆というのは、ようするに、おからみたいなもので、油を絞った後の残りカスなんです。これを油脂メーカーから安く譲り受け作られているのが世の中の醤油になってしまっているのです。
なんでこんなことになったかといえば、製造においては、作り手にとっては便利な存在で、大豆を水に浸す手間もいらなければ、製造過程ででてくる油の除去も不要で、しかも、安く仕入れられるということで、経済の観点からは正解だったようです。経済成長優先の価値観から生まれた工業製品という感じでしょうか。
で、最近の本物志向の価値観からすると、ちゃんとしたあるべき姿に対して戻っていくということが正しいあり方になりつつありまして、ちゃんと丸大豆からつくっていくというのが偉いということなんです。
しかし、丸大豆といえども、世の中のほとんどの大豆が遺伝子組換え大豆だそうで、遺伝子組換えでない大豆を使うというのは、相当ハードルが高いみたいです。
チョーコー醤油さんでは、カナダの契約農家から仕入れているそうですが、国産の方が良いというのは盲目的な幻想だそうで、生産者が信頼できるかどうかというのが一番大事みたいです。
遺伝子組換えというのが何を組み替えているかというと、農薬に対する耐性があるように組み替えたものらしいのです。そうすることで、雑草だけを除去し、大豆だけを生やすことが出来る畑にできるということなんだそうです。だから、遺伝子組換えの何がいけないかというと、農薬をたくさん浴びながらも生き抜いてきた大豆ということなんです。もちろん、残留農薬は除去されているとは思いますが、ダメな環境で育ってきた子をあなたの体に入れますか?という感じですね。
実際に、丸大豆と脱脂加工大豆を食べ比べしたり、醤油のテイスティングをしたりして、その違いを体感。
なるほど、たしかに比べるとちがう。
丸大豆のほうがよりスムーズに体に入ってくるような感じがありました。
しかし同時に、比べなければそこまで分からない、という悲しい現実も目の当たりにしました。
ワインみたいにガバガバ飲むものなら気にしますが、小さじ程度の世界でその差を理解してもらって何倍も高い醤油を買ってもらうというのは、なかなか、大変だよなあと思いました。
価値基準を裏面から読み取るのは限界
醤油の分類や添加物などに関しての情報はパッケージの裏面の記載から読み取ることができます。しかし、その記載はあくまで法律にのっとった記載しかなく、その原料にどれだけこだわりがあるか、どれだけ手間をかけたかは全く記載されていません。
だから、結局のところ、ちゃんとメーカーの理念とか方針をみて、判断するしかないのかなと思うのでした。
情報って難しいですね。
僕としては、こういった場になるべくたくさん参加して、話を聞いて、なるほどと思えることがより多い製造者に信頼を寄せるというのが良いのかなと思うのでした。