よくみると、ものすごい違和感
今日のテーマは道路標識の「歩行者専用道路」マークです。
まあ、デザインやってる連中の間ではよく議題にあがるテーマなので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、
このマーク、よく見るとほんとに不思議なマークなんです。
まずはこのマークよく見てください。
なんか、すごーーーく違和感を感じませんか?
ぼくは、下記のようなところに違和感を感じました。
いろいろ書きましたが、大人の腕がぐにゃぐにゃしてるのがもう最高に気味が悪い。とにかくデッサンとしてはまったく出来ていない。ラピュタに出てくるロボット兵かよ。
極めつけが、子供が逃げ腰なのが全然幸せな親子に見えない。もはや、エイリアンに連れ去られる子供にしか見えません。
なんでこんなのを採用したんだろうと思ってしまいました。
で、ためしに、自分なりに赤字を入れた箇所に対して手直ししてみました。
じゃじゃん。
どうでしょう。まあ、それなりにいい感じになったかなーと思いました。
よくよく考えてみる前までは。。。
造形が正しいことが必ずしも良いわけではない?
でもね、造形が正しくなくて気味が悪くても、こうやって標識として長年存在しているからには、やっぱり何かしら理由があるに違いないと思いまして、
1つの仮設を立てました。
どんな状況、どんな角度から見ても認識できるかどうか。
結局、道路標識って車の運転手が見るものですから、視界に入ってからあっという間に消えちゃうものです。絵の完成度よりも認識度が高いほうが重要なんじゃないかと思い始めました。
あっという間に消えてなくなる標識のシミュレーションの動画が作れなかったので、ためしに、アイコンを小さくしてみました。
どうでしょう。
なんか僕がアレンジしたほうが、脇の下や子供の手足など懐が狭いところがつぶれてしまって見えませんか?
次に、様々な角度から見た感じをシミュレーションしてみました。
まずは現在の標識
次に、僕がアレンジした標識
どうでしょう。
やっぱり、現在の標識のほうが、脇や股のアキが広いのでつぶれるところがないため「人」としての認識がしやすいと思いませんか?
そうなんです、この違和感たっぷりの標識、実はどこからどんな状況でみても認識しやすいように、緻密に計算されつくされた標識なのではないかと思うのです。
だってそうじゃなきゃ、もっと絵のうまい人に描いてもらえればいいじゃんって話になりますから。
いや〜デザインって面白いですね。
デザインにはかならず意図や目的があって、それを達成するためには、時には正しくないことが正しいこともあるということなんです。
今日は、一人で問題提起して一人で納得しちゃいました。