だしについて

待って!その昆布、捨てないで!

投稿日:

出汁を引いたあとの昆布には、栄養の99.9パーセントが残ったまま

今日のテーマは昆布です。

ある人から聞いた話では、とある京都の料亭では、湯豆腐は最高級の利尻昆布を客の前で鍋の手前からすーっと入れて、奥に引き出したらおしまい、だなんて超粋なことするらしいです。出汁に関してはそれでもいいのかもしれませんが、実は昆布は食べてこそ、その食材の栄養が得られるようです。

なんと、出汁がら昆布には、栄養が99.9パーセントも残ったままなんだとか!

昆布の成分の3分の1は食物繊維です。だから、ちょっと食べれば、ファイブミニ1000mgなんて秒速で超えられます。

そして、食物繊維は水溶性。アルギン酸とフコイダンという成分なんですが、これがまたすごい。脂質の吸収を抑えてコレステロールや中性脂肪を溜まりにくくします。また、腸内環境を整えて、免疫力を上げる働きもあるんだとか。もうすでにWトクホ状態。特茶とか飲んでる場合じゃありません。

さらに、色素成分のフコキサンチンというやつが、脂肪の燃焼を促したり、血糖値の上昇を抑える働きがあり、いま流行りの世の中のダイエット系健康食品の要素を全部持っちゃってるんです。

あと、うまみ成分のグルタミン酸ですが、これが、最近の研究で、胃の中にもグルタミン酸を感知するセンサーがあるらしく、胃がそれを感じると、胃の働きが良くなって満足感が増すため、食べすぎを予防してくれます。つまり、肥満防止に。

もはや、豊食のこの時代の救世主といっても過言ではありません。食べない理由がむしろ見当たりません。

サプリに毎月3000円払うなら、昆布を毎月3000円買った方がいいです。3000円あれば、結構いい昆布一カ月分買えます。

と、ベタ褒めしてますが、全日本昆布協会からお金貰っているわけではありません。

ちょっと悪いこといいますと、

甲状腺ホルモンを作るヨウ素が含まれているため、食べすぎると、甲状腺に異常が出ることもあるので、身体にいいからと言って食べすぎはNG。主食のようにモリモリ食べなきゃ大丈夫です。

海藻を消化できるのは日本人だけ?

よく、海苔を食べると下痢をするという外人の話を聞きます。どうやら海藻を消化できる酵素を持っているのは日本人だけ、ということらしいのですが、ことの真価はわかりませんが、少なくともこれだけ沢山の海藻を食べるのは日本人だけなのは間違いないみたいです。

我が家の子供たちは、教えたわけではないのになぜか競って出汁がら昆布をそのままムシャムシャ食べます。鍋をやると大変です。肉や魚には目もくれず、底の昆布ばかりを漁るのです。

私自身はもともと、そんなに昆布は好きでは無かったですが、栄養が満点ということを知ってからは、積極的に食べるようになりました。

そして、おいしく感じるようになり、いまでは大好物に。好みなんてそんなもんかもしれません。

ただ、なんとなく肌感として、昆布を食べるのが好きじゃない人、結構居るような気がします。私が思うに、その理由の一つとして、お正月の昆布巻きがいけないんじゃないかと思ってます。あの甘ったるくてねっとりした感じが、かなり昆布の価値を下げているような気がします。あの味付けって、いまの時代にあってないような気がします。昆布、巻き過ぎだし。。昆布ってたくさん頬張ると、ちょっとオエッてしますから。

保存技術の無い時代じゃないのだから、もうすこし薄味で、巻きも少ない繊細な昆布巻きにしたら、もうちょっとイメージ変わると思うんですけどね。どうでしょう。誰かレシピ開発しませんか?

日高昆布は手軽で食べやすい

出汁の世界では、日高昆布はそれほどイケてる昆布ではありません。

出汁は少し磯臭いし、塩味もややあります。利尻や真昆布に比べると、繊細さに欠けます。でも、日高は、安いし、そこそこ出汁は出るし、食べやすい、という特徴がありますから、出汁がらまでおいしく愛するなら、日高は一択です。

羅臼昆布は、茹でると柔らかくなりますので、オススメですが、お値段が高いので、毎日の食卓にはハードルが高いです。出汁はヤバイくらい出ます。

利尻昆布は、食べるには硬いです。(我が家では食べちゃいますが)出汁は洗練の極みです。

真昆布は、固いですが、まあ食べられます。出汁は、パーフェクトです。

昆布も他の食材同様に、良いものから悪いものまで、いろいろ出回っていますが、素人にはなかなか見分けがつかないのですが、あんまり安すぎるのは多分何かあると思ったほうが良いと思います。随分上から物を言ってますが、私もそこまで見分けがつかないので、信頼のお店で、主人に勧められたものを買っています。スーパーの安物と比べると、やっぱり違うなと思います。

せめて週一回くらい、昆布生活を

まあ、昆布がいいのは分かりましたが、結局、そんな面倒くさいこと、毎日の料理に取り入れられるほど、暇じゃないんだよ。っていうのが関の山だと思います。

私自身も、正直さすがに毎日ってのは厳しいとは思います。

でも、出汁ライフを続けてきた感覚として、なんだかんだ週一回くらいなら、続けられるかなっていう感じはします。

出汁がらばっかり食べるのも、毎日だと正直飽きますしね。笑

あんまりストイックにやり過ぎると、ある日疲れがピークに達して、やめちゃうこともありますので、オススメしません。なるべくロングテールに続けるほうがいいので、自分なりの生活リズムに、昆布を取り入れられると、より健康で充実した食生活が送れるのではないかなと思います。

マクドナルド食べる日があったって、いいんです。昆布でリセットする日があれば!

そんな緩めの昆布ライフをオススメします。

-だしについて

執筆者:

関連記事

2018年、出汁への愛を語る

大晦日の今日、無事に年越しそばも堪能し、最後まで濃い出汁の一年でした。 せっかくなので、一年を総括してみようと思います。   思えば、出汁なんて、日本人なら誰しも慣れ親しんだ味わいですが、 …

あの味を家でも再現したいなぁ その1

家庭の味とお店の味、何かが違いますよね。 でも、お店で味わったあの料理を自宅でも再現したいなぁ、という思いをしたことありませんか? 僕はしょっちゅうあります。でも、レシピがあるわけでもないですし、お持 …

いざ!築地のかつお節屋さんに疑問をぶつけてみた

写真:だしソムリエ2級講座のときの写真(自分で撮影) はい!今日の記事は、かつお節の姿節(※)について築地に行って来たときのことを書きます。 (※姿節:削る前の状態の節。姿そのままだから姿節といいます …

煮干しでポン酢を仕込む

年の瀬が迫りました。 お節作りも絶賛進行中ですが、ちょっと脱線。 先日作った橙のポン酢、橙がちょっと余ていて、晩酌の焼酎に割る元に使ったりして楽しんではいるのですが、せっかくなのでもうちょっと何かして …

【美味しいよ!】昆布嫌い撲滅計画 〜その4

昆布が嫌いな人でも、美味しく昆布を食べられるアイデアを考えるレシピシリーズ第四弾。 今回は、身近にあるポップな食材を昆布とマリアージュして子供から大人まで、誰いでも食べやすい路線を探ってみようと思いま …

だしと発酵、暮らしに関するヒントをデザインの視点を交えてお届けします。

2019年6月
« 5月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930