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心地よいモノ だしについて

BONIQではかどる、昆布出汁の魅力

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みなさん、昆布出汁取ってますか?

やっている人ならお分かりいただけると思うが、美味しく出汁を引くのって結構コツと時間がかかって難しいですよね。一般的に昆布出汁は、60〜70度で1〜2時間でじっくり出す。沸騰させない。水は軟水がいい。個体差があるから味見は必須。などなど、まあ書き出すとキリがないのです。特にこの60〜70度をキープっていうのが結構重要なポイント。煮立たせると磯臭かったり雑味が出ちゃうんですよね。

しかし、この60〜70度をキープするというのが、やってみるとなかなか大変。温度計とにらめっこして、火加減を微調整。油断しているとすぐに温度が上がったり下がったりするので、出汁を引いている最中は持ち場を離れることができません。聞くところによると、ちゃんとした和食店では昆布だしの見張り役は新人・丁稚奉公の役割だとか。なるほど、見張りとしては高等技術はいらないけれど誰かがずっと見守っていなければいけない手間のかかる場面。おそらく、大将は別の仕込みや準備に時間をあてたいですよね。ということは、椀物を提供されたときに「こちらは道南真昆布と枕崎の一本釣り鰹の本枯節血合い抜きを使った一番出汁でございます」とあたかも大将自ら全部やったように得意げに言われたとしても、実はその影には新人の汗と涙の苦労があったということだったりする。うんうん、頑張れよ新人。陰ながら大将の味と仕事を盗むんだぞ。いつか自分の店を持つその日まで。。。

あ、話がいつものように脱線しました。

 

えーと、みなさん低温調理器、存知ですか?

 

低温調理器とは

主に肉類において、肉の中心温度を75度で1分以上加熱しないと食中毒を起こす菌が死なないため食品衛生法上、食事を提供する際にはこの基準をクリアする必要がある。しかし、その温度になってしまうと肉類は赤色が変色していわゆるパサついた状態になり肉汁も外に出てしまう。そこで芯温を58度で2時間加熱することで、食中毒を起こす菌を殺菌しながら、しかも肉をレアなを保つことができる。画期的な調理法。こうすることでレアなのに安心して食べることができる。生肉マニアには生唾ものの調理法。

 

つまりローストビーフなどが物凄く美味しくできあがるという人類の英知を結集した最強の料理アイテムなのです。(大げさ)

そして、その低温調理器界の中でも有名な「BONIQ」という製品がいまグイグイ来ています。0.5度刻みで温度を設定可能で、時間も細かく設定。つまり、放り込んでおけばあとは放置プレイ。丁稚奉公いらずの大将も満足の逸品。プロダクトのデザインも洗練されていて気分が上がる。

お好みを温度をキープできるということなので、実は昆布出汁を引くのに最強アイテムなんじゃないかということに気がつきました。

 

私はBONIQのホームページを行ったり来たり、コーヒーを飲んだり、散歩したり、トイレにいったりして、やっぱりBONIQのページを見て、しばし悩む。うーむ、決して安いものではない。昆布出汁のためにこの金額を払うべきなのか。。。しかし、仮に自分の時給が1,000円だとしたら、昆布出汁を何回引いたらペイできるかな。。。あれ、けっこうすぐにペイできるかも?それくらい出汁引いてるもんね。タイムイズマネー。光陰矢の如し。人生は一度きり。思い立ったが吉日。あとは家族にバレないように配達してもらうまで。とかなんとか心の葛藤を一通り終えた後、気がついたら購入ボタンを猛烈にクリックしていました。(いろんな理由をつけて、最初から買うつもりでしたが)

じゃじゃーん。来ました!!!!!

カッチョイイイイイイ。

久しぶりにテンションあがる。

しかし、結構大きい。。。またキッチンが狭くなりそうだ。。。(しばらくどこかに隠しておかないと。。。やべ、家族に見つかった!!!)

 〜中略〜

ふう、さっそくやってみましょう。。

えー、まずは、お鍋に水を張りまして、BONIQを入れて電源ON。現在の水温がすぐに表示されます。26.7度。うん、この0.1度刻みの温度が出るのがプロっぽい。鍋の脇にちゃんと固定されるようにクリップがついていてなかなか考えられている。うむうむ。

ここに、昆布を投入します。

温度設定を60度にしまして、時間を60分にします。

スタートさせると、

水流が発生して、BONIQ内部に取り込まれた水が温められ、外に出て循環して徐々に温度が上がっていきます。

じわじわと温度が上がっていき、やがて60.0度ジャストになると「ピー、ピー、ピー」と信号音が鳴り、ここでスタートボタンを押すと、60度60分がスタートします。

じわじわ温度が上がっていくのも、昆布にとってはいい感じ。

60分経ちますと、昆布はすっかり大きく戻っていて、出汁もばっちり出ています。「ピー、ピー、ピー」と言ってBONIQは自動でストップします。

うおー、便利。BOINQちゃん、あんたエライ。

結構な水流ではありましたが、見事に昆布出汁が引けました。

この間、私はテレビを見ながら、鼻をホジホジしていただけです。持ち場を離れまくりです。

ああ、便利や〜〜。

 

出汁野郎にはマストバイアイテムとなりました。全国3000万人の出汁マニアのみなさん、低温調理器、ぜひ買いましょう!!オススメです

 

編集後記(気づいたこと一覧)

●いきなり昆布を入れてスタートさせましたが、やっぱり30分くらいは水につけておいてからスタートしたほうがよかったかも。

●昆布のヌメリがBONIQの中に入っていきますので、終わった後は分解してよく洗う必要があります(あれ、めんどくさい?シー。)

●昆布出汁をとりながら、ジップロックに入れた肉の塊をいれたら、通常の肉の低温調理も並行してできることに気がついた。

●ていうか、この商品の本来の使い方をしてお肉を楽しめばいいんじゃないか。

●むしろ、お肉料理を最高に作って、副産物として昆布出汁ができるのではないか。

●BONIQ最高やん。

●控えめに言って神?

●お肉が美味しいので、家族も満足してくれた。

●でも、僕は昆布出汁最高!

●べた褒めしたので、BONIQさんから何かもらえないかなあ。

●なんだよ、この記事にはそういう下心があるのか。

●いやいや、そんなことはない。やっぱり昆布出汁最高。

●人間とは楽をしたい、俗な生き物なのである。

https://boniq.store/

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