そういえば、新コーナーを立ち上げて豆腐の昆布締めをご紹介したまま、すっかり放置しておりました。実は、いくつか昆布締めしてみたストックはありまして、記事化するのを怠っていただけだったりします。
ということで、今回はゆで卵の昆布締めをご紹介します。
その前に、「昆布締め、かなり楽しそうだぞ」と思ったときに、いつも出汁を引くときに使っている真昆布は結構良い値段がするものなので、昆布締めにバンバン使うには気が引け、なにか昆布締めに使いやすい良い昆布はないかなと調べました。うーん、築地にはなさそう。どこかないかなー。あ、そうだ。そもそも昆布締めの本場の北陸地方の昆布屋さんを当たれば良いのではないかな。と思い、ネットで検索。四十物と書いて「あいもの」と読む「四十物昆布」さんにて真昆布の促成折1等昆布が1Kg4000円を発見。しかも昆布締めにと書いてある。ビンゴ!これは安い。さっそくポチっとしました。
(まあ、促成物ですから天然の2年ものに比べたら大したことないですが、気にせずじゃんじゃん使えるならこれは買い!良い昆布は100g2000円くらいしたりしますからね。)
しかも、届いて分かったのですが、この昆布、厚みは無いのですが、その分、平で幅広い昆布になっていたので、昆布締めにベストマッチになっていました。
むふふふふ。富山さん、分かってる。
ちなみに、富山といえば、昆布消費量日本一。昆布が取れない県なのに消費量が多いのは、江戸時代の北前船による影響が大きいそうですよ。そんな江戸時代の文化がいまでも地方地方の料理や味覚の文化に根付いているというのは、面白いですね。マクドナルドはどこで食べてもマクドナルドな味ですが、こういうローカルな文化を見つけるほうがずっとずっと楽しい。
しかし、富山と関係が深いのは羅臼昆布。開拓時代に富山から結構な数の人が北海道の羅臼地方に移住したらしく、いまでも富山と羅臼は人も物も交流があるようです。だから、本当は羅臼昆布を買いたかったのですが、ちょいお高いので、まずはお遊びということで真昆布にしました。
どーん。
届きました。
写真からは伝わりづらいですが、一般のご家庭で使う昆布と考えると、かなり引くくらいの量があります。
しかも、1本の長い昆布が折られているので、開いていくと、とんでもなく長い昆布になります。ちょっと写真を撮り忘れてしまいましたが、うちの狭いリビングの端から端まで行っちゃう勢いでした。
これをお好みの長さにハサミで切っていきます。食材の大きさに合わせてチョキチョキやっていきます。
これは楽しいぞ。
(またも乾物が増えていく我が家の台所。どないすんねんという冷めた目で見てくる奥さんと目を合わせないようにして準備を進めます)
さあ、今回のゆで卵。
昆布締め初心者としては、まずはあんまり素材そのものに主張が強すぎない、白いキャンバスのようなものが良いなと思いまして、豆腐の次に思い浮かんだのはゆで卵でした。これ、絶対美味しいはずですよ。外す気がしない。
行ってみましょう!
卵は少し柔らかめにゆでて皮をむきます。
そして粗熱をとったら昆布に包んで一晩放置。
以上で完成。ああ、簡単だ。
まあ、卵が丸いので、乾燥した昆布は包みづらかったです。でも、ちょっと時間が経つと昆布もしんなりしてくるし、ラップと輪ゴムをうまく使えば結構しっかり包み込めますので問題はありませんでした。(包んでいたときの写真は撮り忘れ。。)
じゃじゃーん。
ご覧の通り、卵の水分は昆布に移り、昆布の旨みは卵に移るという、素敵な交換こが行われました。いやーこれは絶対美味しいはず。
で、スライスしてそのままいただきます。
(綺麗にスライスできずにすみません、今回は写真だめですね。)
気を取り直して。
もぐもぐもぐ。
うまーーーい!!
はい、2万点! これは美味しいです。
コンビニのゆで卵ってあるじゃないですか、あれ結構塩気が染み込んだ感じで美味しいですが、ちょっと塩が強すぎますよね。今回のゆで卵の昆布締めはあの感じがずっともっと優しい塩味と昆布のうま味と香りが移った上品なゆで卵と言ったところ。
雰囲気わかりますでしょうか。
昆布締めって、淡いうま味のグラデーションを楽しむ料理だから、お酒もちょっと繊細な感じが良いのかななんて思います。
しかし、こんな美味しいもの、北陸の人だけにやらせておくのはもったいないですよ、みなさん。
昆布で包んで放っておくだけでいいんですから、こんな簡単な料理はないです。やったことない人、やったほうがいいです。絶対お勧めします。
今回は王道の白身魚の昆布締めをまだやっていないですが、あれこそ日本酒がエンドレスにいただけてしまいます。
この記事シリーズでは王道の食材はあえて外して、いろいろな食材を試してレポートしていければと思っています。
気長に楽しんでいただければと。
では、また。