菜の花がスーパーにたくさん並ぶようになりました。もう春はそこまで来ていますね。春は新緑の苦味を味わう季節。今しか感じられない季節を楽しみたい。そんな風に思っています。
ふと、毎日コネコネしているだけの我が家のぬか床(3年生)と目が合いました。
うちは冬でも夏でも常温で保管し、漬物をやろうがやるまいが毎日コネつづけてメンテナンスしてきました。冬場は朝に一度。夏は朝晩二回。もうすっかり生活の一部です。(ときどき忘れるけど)
最近暖かくなる日も増えてきて、ぬか床の乳酸菌が活性化してきたように感じます。うむ。そろそろだ。いい季節がやってきた。
菜の花はお浸しにしようかと思っていたのですが、そういえば糠漬けやったことなかったなと思い返し、予定変更してぬか漬けにすることにしました。
さあ、どんな味わいになるでしょう。
はじめましょう。
まずは、よく洗った菜の花に大さじ1の塩をふりかけます。
そうしましたら、よく揉み込んで水を出していきます。茹でないで漬けていくことをかんがえると、この段階で多少苦味を出しておいた方が良いだろうと思ったからです。
こんな感じで、お風呂上がりの濡れ髪のようなセクシーな艶の菜の花になったらOK。ぎゅっと絞って出せる水は出しておきましょう。
いざ、ぬか床へ。
さあ、眠りたまえ
パンパンパンパンパン。よく空気をぬいて均していったら完了。24時間ほど漬け込みます。
翌朝・・・
ドゥーーーン。
すっかり漬物になりました。あの若々しいグリーンの色から色素が若干抜け落ち、ちょっと疲れた高架下のスナックのママのような妖艶さを纏いました。これはこれで深みを感じます。
取り出す作業はちょっと大変で、一本一本が糠の土に埋まっているため、引っ張ると切れてしまいますので、考古学者のように丁寧に発掘していきました。
発掘完了。さあさあお立ち会い。どんなお味がしますかね。
水で糠をよく洗い落として、一本食べてみます。
モグッモグッモグッ
はい、苦いー。
あー、でも嫌いじゃないかも。まさに春を味わっている感じがします。この苦味も含めて菜の花ですよね。ちょっと大人の糠漬けかも。
食感はちょっとクタっとした菜の花だけど繊維っぽさもあり、うーん、まあ以前失敗したケールほどではないけれど、ちょっとどっちつかずなところもあったりして、まあ、こんなもんかなあという具合ではありました。アブラ菜科の植物なので、ちょっと油の艶っぽさもありつつ、あんまりこういうのばっかりつけていると、糠がヌルっとするようになりますね。
そーだなー。
たまにやるならいいかも!春を感じる年に1、2回の漬物としては上出来な漬物かもしれません。
いずれにしてもシンプルイズベスト。季節の素材をそのまま味わえる糠漬けは、2020年もスタートを切ったのでした。
つづく。