だしと発酵、暮らしとデザイン

丁寧で本物の日本の次世代の食生活を提案する、ライフスタイルWEBマガジン

UMAMI だしについて

【だしとりレポート】うつぼ節

投稿日:

さて、前回記事よりスタートした作り手物語を終えて、今度は実際にうつぼ節を使ってお料理に実践してみて味わいを確かめてみます。今回は泉源の和田さんおすすめの「チゲ」と「とろろご飯」の2品を作って見ようと思います。

 

だしを引く

まずはだしをひきます。

お鍋に水を張って、じっくり弱火で引き出します。

今回は2品分なので、2パックつかいました。

味見をして、うまみが出ていれば引き上げどき。

出汁パックは便利でいいですね。普段パックは使わないので妙に感動。

淡い琥珀色の澄んだおだしが取れました。

香りは、まあ、少々お魚の匂いがします。ここからどう化けるか。

 

チゲを作る

まずは、チゲ。お野菜と豆腐とアサリと豚肉。味付けはお味噌とコチュジャンを用意しました。

まずはさっと豚肉を炒めて

あさりを入れたら酒蒸しに。あさりが開いたら、あさりは取り出しておきます。(あまり煮込むと身が固くなってしまうので)

野菜をいれて、うつぼ出汁を投入。

味噌とコチュジャンで味を整えたら、豆腐や青物野菜をいれて一煮立ち。意外と簡単に出来上がりました。

小皿に取り分けていただきます。

どれどれ。

おお!おいしい!!

うつぼの独特の香りは良くも悪くもあまり感じられず、具材とコチュジャンの香りに包まれて、旨みだけがすっと入ってきます。しかも、くどくもなく、さっぱりと頂けるので、コッテリガッツリで重たいのはちょっと、という人にはとてもおすすめできると思います。なるほど、いいですね。これ。

だしを引いている間、「ちょっと匂いが好きじゃなーい」と言っていた家族も美味しい美味しいと言って食べてしまいました。

 

とろろご飯をつくる

さて、次はとろろご飯にしましょう。

これはもう簡単です。すりおろした長芋とほぼ同量の味付けしたおだしをあわせてよくまぜれば完成です。

今回は塩をメインに使って、醤油はほんの色付け程度に使いました。

さあ、とろろとおだしをあわせましょう。

いつもこの何かと何かを合わせる瞬間がワクワクします。

旨みと旨みのコラボレーション。

熱々の麦ご飯に流し入れて、ちょいと青のりをかければ完成です。

超簡単。でも、すんごい美味しそう。

さっそくいただきます。

  

ハフハフ。モグモグ。ズルル、ズルルルルー。

オイシイ!!

なんでしょう!全然臭くないです。そして、とろろがおだしをまとってやたら旨い!とろろがシンプルなだけに、ちょっと心配してたのですが、これは旨い。不思議ですね。

 

おだしって、そもそもそれだけで飲むものではなく、何かの食材とあわせて、味付けして初めてお料理になるベースですから、おだし単体だけでアレコレいうのもじつはちょっとナンセンス。お料理になって初めて完成ですし、そこで美味しいというのが一番大事なこと。

うつぼだしは、さっぱりとしながらも深い旨みが広がる美味しいおだしでした。なるほど、徳島のおばあちゃんたちはこんな美味しいものを日々の味噌汁なんかに使っていたのですね。

今回はうつぼ節を使って実際のお料理にしてみました。おだしが広がるとレパートリーも広がる。楽しい楽しいおだしライフ。みなさんも機会があれば是非お試しくださいね。

-UMAMI, だしについて

執筆者:

関連記事

【作り手物語】阿波の国 一夜だし膳 〜河口 晶〜

作り手物語、第二回目は徳島でだし伝道師として精力的な活動を続けていらっしゃる河口晶さん。煮干しと昆布を水出し用にチューニングして使いやすいだしパックをクラウドファウンディングで商品化しました。煮干しと …

だし素材に出会いたい 〜エソの煮干し〜

未だ見ぬ素材との出会いを求めて 日本全国津々浦々。狭い日本そんなに急いでどこへ行く。とはいえ、我が国は南北に大変長く、様々な地形があるため、気候風土は全然異なり、実に多様な食材と食文化が溢れているのは …

出汁を引こう! 〜かつお荒節薄削り〜

以前の記事で、築地の鰹節屋さんは、荒節の鰹節を一般人には姿のままで売ってくれないと嘆いたことがありました。 その後、読者の方から連絡をいただき、ネット販売など入手できるところを教えてくれたりしたのです …

枕崎、酔いどれ1泊2日弾丸ツアー

先日、だしソムリエSytle主催の鹿児島県枕崎の鰹節製造現場視察ツアーに参加してきました。 平日の開催ながらも、全国からだしソムリエたちが約30名集結し、短い間ながら濃いひとときを共に過ごしました。 …

【コールドブリュー】夏は水出し、かつおの合わせ出汁

急に暑くなりました。 春は短いですね。これから過酷な夏がやってきます。 夏は食欲も減ってくる季節。 そんなとき、出汁は、さっぱりコールドブリュー(水出し)で行きましょう!   かつお節もコールドブリュ …

だしと発酵、暮らしに関するヒントをデザインの視点を交えてお届けします。

2024年12月
« 1月    
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031