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発酵を考える

ぬか漬けDays 〜ケール

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さて、ぬか漬けコーナーのお時間です。

ご存知のように、私は、目についた野菜を馬鹿の一つ覚えのように糠につける習性がありますが、今回目についたのはケールです。

ケールといえば、「うーん、マズイ!もう一杯!」の青汁で有名な原料になる野菜ですね。味はともかく栄養価は高いので、ジュースにでもして無理やり飲んでしまえという存在。なんだか野菜人生としては可哀想な扱いではありますが、もともとキャベツやブロッコリーの原種。アブラナ科の代表格です。そういえば、キャベツの外側の荒々しい部分に似ているといえば似ていますね。

というか、あの荒々しい部分だけを集めた野菜がケールとも言えます。そりゃあまあ普通は食べたくないですわね。

しかし最近では健康志向ブームのおかげか、スーパーでも時々野菜コーナーで見かけるようになりましたし、カットサラダにしれっと紛れていたりして生で食べたことがある人も多いのではないでしょうか。しかし、あれは葉っぱの柔らかい部分だけをちぎったもので、苦い茎や元の部分は入っていないように思われます。

勝手な想像ですが、青山あたりのレストランでは、日がなリッチなマダムたちが昼からケールにオリーブオイルとバルサミコ酢と岩塩をかけた前菜を食べながら「ざーます、ざーます、健康ざーます」言っている風景が思い浮かばれます。

しかし、私からしてみれば、こんな野武士みたいな原種野郎は、全部もろとも、糠に放り込んで野性味溢れる味わいでいただくのが一番に決まっているんだ、ふん!格好つけるんじゃない。けっ、けっ、けっ。と思うのです。

たしかに穂先のほうはそんなに苦くなくサラダ的に食べられますが、茎まで一緒にバリバリ食べられる方が健康には良いに決まっとるんだ!とぉ!

と、何故かひがみっぽくなってしまいましたが、一息ついて、さっそく始めましょう。

まずは良く洗いまして、かるく塩揉みします。

そして、ぬか床に投入。

しかし、さすが野武士。ちょっとやそっとの塩もみはビクともせずに

パリパリと荒々しいです。


さあ、わが糠軍よ、一思いにやってしまえ。出陣!

 

糠とケールの戦いが始まったのを見届けて床に着きました。

 

 

 

翌朝・・・

ドゥーン。

 

写真からは伝わりづらいのですが、茎の部分は全然しんなりしていません。まだ漬かっていない様子。

 

やばい、糠が負けてる。

しかし、このまま引き下がるわけにはいかない。

時間もないので、食べます。

漬物というより、サラダです。

パリパリパリ。まだハリがありまくる。

そして、苦い。えぐい。青臭い。

「うーん、マズイ!もう一口!」

まさに、青汁と同じ状況です。

ケールそのものの味わいにほんのり糠の香りが感じられるサラダと思うことにしました。く、くそう。青山マダムに完敗だ。オリーブオイルをかけたくなってきた。オイル万歳。

しかし、糠は猛毒のフグの卵巣でさえ2年ぬか漬けにすることで毒素を完全に抜き取って食べられる状態にもできる実力をもったスーパー発酵愚連隊。

本来、こんな程度で負けるはずがないと信じている。

そうだ、単純に漬けが甘かったんだ。そうに違いない。

古漬けにすればこの野武士野郎に完全に勝てるに違いない。

このえぐみ。苦味をマイルドにして、絶対においしく食べてやる。

えいえいえい!

私は、再び糠軍の陣営に放り込んだのでした。

つづく

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