だしと発酵、暮らしとデザイン

丁寧で本物の日本の次世代の食生活を提案する、ライフスタイルWEBマガジン

だしについて

出汁を引こう! 〜基本の一番だし〜

投稿日:2018年4月28日 更新日:

出汁を引こう!

いろいろな出汁を引く手順をご紹介するコーナー。

これを真似していただければ、みなさんも簡単に美味しい「だし」を引き出せますよ!

是非、真似してみてください。始めますね。

 

と、いきなり話が逸れますが、和食の世界だと、出汁って「引く」とか「取る」とか言います。「煮出す」とは言いません。

西洋料理や他の国の料理と違って、グラグラ何時間も煮出して無理矢理出汁を「絞り出す」ような暴力的な感じとは違って、

元々そこにあるものを、スッと引き出すみたいな感じが言葉にも表れていて、日本の美のようなものを感じて、いいなと思います。

個人的には出汁は「引く」という表現を使いたいと思っています。

 

 

さて、今日は、かつお節を使った一番だしをご紹介します。

一番があるってことは二番もあるのでしょうか。

はい、あります。

それぞれ味も用途も異なります。

少しづつご紹介していきますね。今日は一番出汁です。

 

カツオの風味と、食材の味を引き出す一番だし

一番だしは、書いて字のごとく、一番最初に引ける出汁です。

だいたい、80度〜85度で2分、かつお節の薄削りを湯の中で泳がせたものになります。

かつお節はできれば本枯れ節の削りたてが望ましいです。

多くは、昆布で旨みを出した湯で作る「合わせ出汁」にしますが、

目的によっては白湯からかつお節だけで引くこともあります。

昆布が加わることで、イノシン酸とグルタミン酸の相乗効果が生まれ、より旨みが強く感じられるようになるので

一般的には昆布を使うことが多いです。

今回は昆布を使う一番だしの手順をご紹介します。

 

準備

●水:1リットル(軟水が良いので、海外のミネラルウォーターは使わない)

●昆布:10グラム

●かつおの削りぶし:20グラム

雪平鍋(普通の鍋でも良いが、出汁の色を見やすいので雪平がおすすめ)

●ザル

●さらし布(キッチンペーパーでもOK)

●ボウル

昆布は、真昆布か利尻昆布が良いです。(日高昆布でも良いですが、少し磯臭くなります。羅臼昆布は旨みが強すぎて、色も濃くなります)

かつお節は削りたての本枯れ節が一番美味しいですが、スーパーで売っている花かつおなどでも大丈夫です。(風味の違いで、旨み成分は変わりません)

今回は、一番上等な一番だしにしますので、道南真昆布と本枯れ節で行います。

実践

昆布はキッチンスケールで計ります。ハサミで切って、グラムを整えます。(1〜2グラムの誤差はご愛敬)

おすすめは築地の吹田商店の山出し昆布です。

1リットルの水を昆布に最低30分、できれば3時間浸します。麦茶を入れる容器がおすすめです。

鍋に移して、弱火でゆっくり温めます。

できれば、温度計を用意して、60度を1時間キープします。

温度計が無い場合は、鍋の内側に気泡が付き始めるのが60度なので、覚えておいてください。

途中で何度か味見をしましょう。

1時間経つと、まろやかで磯臭くない美味しい昆布だしが引けます。

(この出汁だけでも、最高の湯豆腐が楽しめます)

昆布の出番はここで終わりです。なんだか勿体無いようですが、取り出します。

(昆布は調理で3次利用までできるので、取っておきましょう。3次利用の方法はまた後日)

昆布を取り出したら、一端沸騰させ、火を止め、80度〜85度になるまで待ちます。

鍋の昆布だしが80度〜85度になるまでに1〜2分かかるので、その間にかつお節を削ります。

温度計で計りながら適温になるまで待ちます。時間が無いときは、沸騰後にコップ一杯の水をさせばすぐに適温になります。

いい温度になったら、一気にかつお節を投入。

2分静かに待ちます。

2分経つと、こんな感じに、鍋の底の方に沈着します。必要以上にかき混ぜたりする必要はありません。

時間がきたら、ボウルの上にザル、さらしを置いたところに流し込み、漉します。

さらしの上に乗ったかつお節は絞りません、雑味が出るので、重力で落ちていく出汁が落ちきったらおしまいです。

水滴が落ちなくなったら、そっとよけます。

先ほどの昆布と取り出したかつお節。これは、これで捨てるのは勿体無いので、二次利用三次利用します。(後日ご紹介)

透き通った黄金色のだしが引けます。

(脂分の多いかつお節や酸化が進んだかつお節だと、ちょっと濁ります。)

一番だしの完成です。

部屋中にいい香りが立ち込めて、幸せな出汁空間になります。

 

使い道

一番出汁は、ひとつまみ塩を入れるだけでも、立派なおすましになります。

湯がいた青菜をくぐらせれば、素材の味が引き立つお浸しになります。

茶碗蒸しや出汁巻き卵にすれば、ここは料亭か?と思える上品な料理が出来上がります。

白身魚や鶏肉などにもよく合います。

繊細で上質な出汁ですので、くれぐれも醤油を入れすぎないように。

出汁の旨みと風味を味わう料理に使いましょう。

きっと、素材の季節感を感じさせてくれる、最高の一品を演出してくれるでしょう。

 

 

ご家庭なら、カツオ節は、削り節をスーパーで買ってくるのでも充分です。

ちょっと面倒かもしれませんが、晴れの日には是非やってみてくださいね!

 

 

-だしについて

執筆者:

関連記事

出汁を引こう 〜煮干し(やや洗練系)〜

さあ、久しぶりのコーナー。出汁を引こうです。今日は、煮干し出汁です。 煮干しは、素材や煮出し方で結構出汁の雰囲気が変わる出汁でもあります。今日は、洗練系の出汁を引きます。   じっくり前の晩 …

青森焼き干しラプソディ

イワシの乾物といえば、普通は煮干しを思い浮かべますよね? でも、煮て干すのではなく、焼いて干すという文化も日本にはあるのをご存知でしょうか。最近では焼きあごという言葉もよく聞くと思いますが、煮るのでは …

いざ、手火山式かつお節(田子節)

今日は、手火山式かつお節について。   まず最初に宣言します。この手火山式に関してはまだまだ知識や味わいの経験が浅いので、今回はあまり偉そうなことは言えません。つっこみどころが満載かもしれませんが、ご …

煮干しで作る八方白だし

最近は、白だしをよくスーパーで見かけるようになりました。確かに、料理に万能につかえて、茶色い色もつかないので、料理の見た目の邪魔をせずに旨味を足すことができるので、なかなか便利ではあります。私も時間が …

だし素材に出会いたい 〜エソの煮干し〜

未だ見ぬ素材との出会いを求めて 日本全国津々浦々。狭い日本そんなに急いでどこへ行く。とはいえ、我が国は南北に大変長く、様々な地形があるため、気候風土は全然異なり、実に多様な食材と食文化が溢れているのは …

だしと発酵、暮らしに関するヒントをデザインの視点を交えてお届けします。

2021年6月
« 5月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930