発酵を考える よく観察する 丁寧に暮らす

玄米を美味しく炊きたい 1

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今日は玄米のお話。

我が家は日頃、玄米を食事に取り入れているのですが、正直なところ、あんまり美味しくはないんです。独特の香りや食感は、白米と比べてしまうとどうしても見劣りしてしまいます。なので、白米とブレンドしたり、もち米をまぜてみたり、麦と合わせてみたり、いろいろごまかしながら使っているのですが、せっかくなら玄米だけで美味しく炊きたいという思いが常々ありまして、ここ3週間くらいずっといろいろな炊き方をトライしています。それで、ようやく、ある程度先が見えて来ましたので、記事にしようと思います。

結構膨大な記録があるので何度かに分けて記していきたい思います。

では、始めましょう

 

玄米が美味しくないポイントを理解してみる

まず、なんで玄米が美味しくないのかと考えたときにいくつかポイントがあるように思いました。

●匂い

●食感

●味わい

たぶんこの3点だと思います。これらをいかに克服できるかで、玄米は美味しく食べられるのではないかと思ったのです。

まず、「匂い」

これは、玄米の外側を覆っている糠の部分の独特の香りがあります。慣れればそれほど苦痛ではないのですが、ときどき白米を食べると、ああやっぱり玄米って香りが独特だよなあって思います。

次に「食感」

これもやはり外側の膜のせいか、ご飯粒の粘性が下がってしまい、一粒一粒が剥がれやすく、ポソポソになってしまいがちです。

最後に「味わい」

これは、ご飯を咀嚼しているときに感じる美味しさなのですが、玄米はよくよく時間をかけて噛んでいれば、確かに口の中で甘みは出てくるのですが、その段階になるまでにかなりの回数を噛まなくてはいけません。日頃の食事と同じノリで食べてしまうと、美味しさを感じる前に喉を通ってしまいます。

 

これら課題を一つ一つ潰していければ、きっと美味しい玄米ご飯になるはずです。

 

食感に関しては、水の量や浸水時間、炊き方を工夫すれば行けそうですが、匂いと味わいに関しては、ちょっと工夫が必要そうです。

 

実験スタート

ということで、今回は下記のようなパターンで炊きわけてみました。

1. 24時間30度の水で発芽させた後、圧力鍋で炊く

2. 48時間30度の水で発芽させた後、圧力鍋で炊く

3. 24時間30度でヨーグルトを混ぜた水で発芽させた後、圧力鍋で炊く

4. 48時間30度でヨーグルトを混ぜた水で発芽させた後、圧力鍋で炊く

5. 24時間30度の水で発芽させた後、60度で8時間保温し、圧力鍋で炊く

6. 24時間30度の水で発芽させた後、60度のお湯に米麹を加えて4時間保温し、圧力鍋で炊く

7. 24時間30度の水で発芽させた後、60度のお湯に米麹を加えて8時間保温し、圧力鍋で炊く

8. 比較のために、浸水してすぐに炊飯器で炊く

 

えー、何をやっているかというと、

要するに、発酵の原理を使って美味しくできないかということなのです。

 

解説していきますね。

まず、30度に保温された水につけておくことで、玄米は1日くらいで芽を出します。

いわゆる、発芽玄米です。

健康的にもこの発芽状態の方が毒素も抜けて話題のGABAもたくさん出ている状態なので非常に良いです。

ただ、この段階は人の健康にとって良い状態になっただけで、美味しさとはイコールではありません。

いままではこの状態で炊いて食べていました。

今回はここからさらに時間や温度の変化を加えていきました。

 

何を考えたかというと、「発芽した芽が自ら出すアミラーゼ酵素を用いて、玄米のデンプンを自己分解させ、一部を糖化させることで、美味しさを増すことができないか」ということなのです。

実は、発芽した芽というのは、自らが成長していくために、種に含まれているデンプンをブドウ糖に変えていきます。その原理を利用して、ビール作りでは、麦芽を温めることで麦を糖化させて甘い汁を作ってビール酵母を加えてアルコール発酵させてビールにします。

アルコール発酵させないまでも、玄米を糖化させることで、玄米そのものを甘く美味しい状態にできるのではないかということなのです。

 

それで、アミラーゼ酵素が一番働く状態というのはpHが5くらいの酸性で、温度は60度くらいがベスト。その状態を作ってあげることで、きっと美味しくなるはず。

でも、酵素が働きまくったら、今度はドロドロになっちゃうかもしれないので、おそらく良い塩梅を探すところが大事。ということで、いろいろな段階を炊き分けることで、一番美味しく炊けるやり方が見えてくるのではないか、ということで、今回の実験なのです。

 

改めて一つ一つ解説します。

 

1. 24時間30度の水で発芽させた後、圧力鍋で炊く

これは、比較用です。ここを基準に美味しさを判断していきます。

 

2. 48時間30度の水で発芽させた後、圧力鍋で炊く

この状態では、24時間以降のプラス24時間でアミラーゼを働かせます。

実は、玄米にはもともと殻の部分に天然の乳酸菌がいます。これを30度くらいの水に浸けておくと、乳酸菌が活性化し、水が酸性に傾きます。実際、リトマス試験紙で調べてみると、24時間後に水道水と比べるとご覧のようにpHが6くらいまで酸性に傾きます。飲むとほんのり酸っぱいですし、この水を元種にしてヨーグルトを作ることだってできます。

なので、この弱酸性の状態でさらに24時間保温することで、アミラーゼも働くということです。

 

3. 24時間30度でヨーグルトを混ぜた水で発芽させた後、圧力鍋で炊く

4. 48時間30度でヨーグルトを混ぜた水で発芽させた後、圧力鍋で炊く

ヨーグルトを混ぜる意図としては、玄米だけでは、pHが6くらいなので、もう少し酸性に傾けるために加えるということです。

あと、ヨーグルトが加わることで、香りが良くなり、糠の独特の匂いを軽減できるのではということです。

24時間と48時間の2バージョンは、時間による味の違いを調べるため。

リトマス試験紙で調べたところみごとにpHは5になりました。

 

 

5. 24時間30度の水で発芽させた後、60度で8時間保温し、圧力鍋で炊く

これは、発芽させた後に、水温を60度にあげることで、さらにアミラーゼの効果を最大限に引き出す挑戦です。発芽玄米器からヨーグルトメーカーに移しての作業です。

 

 

6. 24時間30度の水で発芽させた後、60度のお湯に米麹を加えて4時間保温し、圧力鍋で炊く

7. 24時間30度の水で発芽させた後、60度のお湯に米麹を加えて8時間保温し、圧力鍋で炊く

これは、麹の酵素を加えることでアミラーゼ効果をさらにブーストしてみる、という挑戦です。麹の歩合が悩ましいところで、1合につき大さじ2の麹を加えてみました。炊き上がり後の食感を考えて、麹はお茶パックの中に入れて酵素だけを使うようにしました。

 

ちなみに、今回は自分の主観だけでなく、糖度系を使って甘みも計測して、本当に効果が出ているかも調べています。

 

 

 

とかなんとか、かなりマニアックな実験を繰り広げているのですが

気がつけば、長い記事になってしまいました。

気になる結果はまた次回にしますね!

 

つづく

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