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発酵を考える

腐ってないのに「豆腐」?

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今日のテーマは豆腐です。

「豆腐」を漢字だけを見ると、「豆」が「腐る」と書きますので、あれ、なんで?って思っちゃいますよね。

むしろ腐った豆なら、納豆のほうじゃない?と思っちゃいます。

豆を四角い箱に納めるなら、納豆が豆腐で、豆腐が納豆なんじゃないの??あれ?あれれ???

と、気になって調べてみたところ、実は字の意味が違っていました。

豆腐は豆腐でよかったのです!

豆腐の腐は腐るの腐じゃなかった

いきなり、志布志市志布志町みたいなタイトルとなってしまいましたが、

「腐」という字は中国語では

「プヨプヨした柔らかいもの」を意味するんだそうです!

「腐」という漢字は、「府」と「肉」で出来ていますが、「府」という漢字はもともとは「庫」という字だったそうで、

狩りで仕留めた獣の「肉」を「庫」で保存して、死後硬直で堅くなった肉を、柔らかくなるまで置いておいたそうで

その状態を「腐」と書くことになり、

やがて肉に限らず、こういったプヨプヨした状態のものを「腐」と呼ぶことになっていったみたいなんです。

お豆腐、プヨプヨしてますものね。

ちなみに、中国ではヨーグルトのことは「乳腐」と書いたりするみたいです。なるほど。

日本で流行りの?「腐女子」はプヨプヨした女の子ってことになりますね。(笑)

そうなると、今度は、納豆の語源は何だろうと気になりますが、

こちらは、お寺の「納所」で作られた豆なので「納豆」とする説や、

藁に納めていた豆だから「納豆」とする説や、

将軍様に納めていた豆だから「納豆」とする説など諸説あるようです。

いずれにしても、豆を腐らせるということで生まれた言葉ではないようです。

つまり、豆腐は豆腐で、納豆は納豆でよかったのです。

なるほどねー。

毎月12日と10月2日は豆腐の日!

なんにでもなんとかの日というのがありますが、豆腐の日というのがありました。

日本豆腐協会によって定められたそうで10(とう)2(ふ)の語呂合わせで

12日は豆腐の日なんだそうです。

あと、同じ理由で10月2日も豆腐の日なんだそうです。10月は豆腐の日が2回あるんだね。覚えときましょう。

ちなみに、7月10日は納豆の日、10月10日は銭湯の日、11月22日は良い夫婦の日、

もう日本人ったら、語呂合わせばっかり好きなんだから…

毎月12日は豆腐が安くなったりするのかな。

今度、スーパーを覗いてみようと思います。

常温保存可能な豆腐が誕生する?

豆腐って、冷蔵後に保存しますよね。豆腐が腐ったら、本当に書いて字のごとくの豆腐になっちゃいますものね。

しかし最近、厚生労働省の「豆腐の規格基準改正について」によると昭和49年に定められた規格基準当時から

技術の進歩に伴い、「無菌充填豆腐」という雑菌が除去された豆腐が作られるようになり、

常温でも長期保存できるようになったため、規格を改正しようという動きになっています。

すでに海外に輸出されている豆腐はこの常温豆腐が出回っているようで

日本では出回っていないというのが現状だそうです。

まあ、豆腐、食べたければいつでもスーパーに行けば買えますので、そんなに長期保存したいって願望が生まれないので

どこまで日本で定着するかわかりませんが、保存食として豆腐があれば、災害時の炊き出しに豆腐のお味噌汁が作れるかもしれませんね。

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