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発酵を考える

醤(ひしお)を作る 1

投稿日:2018年10月14日 更新日:

醤(ひしお)とはなんぞや、と聞きなれない言葉ですが、醤油も醤ですし、味噌も醤、魚醤も醤です。何なら塩辛も醤です。つまり麹と塩で穀物や肉や魚などを発酵させてペースト状あるいは液状にした調味料のことを「醤(ひしお)」といいます。中国語では、「ジャン」というやつです。

調味料を自宅で手作りしたら、さぞ美味しいでしょうし、何より無添加で健康的だろうと思いまして、今回は、麦麹と大豆麹を使って醤を作ろうと思います。

【準備】

●麦麹 500g

●大豆麹 500g

●醤油 1.2L(火入れしているもの)

●水 300cc

 

大豆麹と麦麹、これはなかなかそこらのスーパーでは手に入りませんので、福井県のマルカワ味噌さんからお取り寄せさせていただきました。

せっかくなので、ちょっと食べてみます。

まずは、大豆麹。

納豆ほどは柔らかくないけれど、食べられないほどではない堅さ。独特の甘みと大豆の香りがして、後味はちょっと苦味などもあります。奥深さがあるような感じです。

麦麹も食べてみます。こちらも程よい柔らかさで、麦の香りが結構して、甘みも強く感じます。これは結構美味しいかも。

 

しかし、ビジュアル的には完全にカビていますから、何も知らずに棚にこれが入っていたら、確実に捨てられますね。

昔の人はよくこれを食べてみようと思ったもんだと思います。

 

ホーローの保存容器に2つの麹を入れます。

醤油と水を入れて

混ぜるだけ!

 

なんと簡単。。

 

あまりにあっさり終わってしまったので、なんとも拍子抜け。(まあ本来はこの麹を作る方に圧倒的な手間暇がかかるんですが)

原料からすると、さいしこみ醤油を作っているような感じかしら。

周りを綺麗に拭いて

蓋をして常温で保存。

これから毎日かき回して、10〜14日で完成です。

醤を作る間は、納豆が食べられません。納豆菌が強いので、手に納豆菌が付いていると、醤が納豆菌に侵されてしまいます。

また、糠を混ぜた手でも醤を混ぜてはいけません。糠の底にいる酪酸菌が醤を侵食してしまうからです。

なかなか繊細ですね。これからしばらくは、右手で糠床を混ぜて、左手で醤を混ぜるという生活になりそうです。もう両手がふさがってしまいましたので、これ以上新しい発酵食品作りは厳しくなりました。

冷暗所に置いて、じっくりと発酵していってもらいましょう。

毎日の楽しみがまた一つ増えました。

2週間後くらいに、完成の記事が書けるように、頑張って醤になっていってください。

がんばれ菌ちゃん。

 

 

 

 

-発酵を考える

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