だしと発酵、暮らしとデザイン

丁寧で本物の日本の次世代の食生活を提案する、ライフスタイルWEBマガジン

だしについて

かつお節を巡るエトセトラ 5 〜持ち方

投稿日:

こんにちは。

自称世界一実践に役立つブログ、だしと発酵。お盆明けみなさまいかがお過ごしでしょうか。

さて、今日はかつお節の正しい持ち方をご紹介します。

これさえ知っていれば、かつお節を吟味するときに、仲買人から素人だと思われずにすみますので、粋りたいみなさまにおかれましては、是非覚えて帰ってください。

(かつお節を手に取って吟味するという場面が99.999%の人には、一生に一度もないことかもしれませんので、そこは突っ込まないようにお願いします。)

 

では、まず、普通に持ってみましょう。

はい、ダメです。

 

え、、、普通に持っちゃだめなの??

はい、そうなんです。こういうふうに持ってしまうと、まわりについているカビの粉が落ちてしまうのです。

大福でいえば、まわりの粉が落ちちゃうみたいなことかな?

もちろん、このカビは、一般の人に売り物として売られる時点では、もう発酵も終わって、カビがついていてもいなくても大丈夫なのですが、お店が売り物としてパッケージするときには、この粉を吹いたような回りのカビがあることで、「本枯れ節」らしさを醸し出します。仲買人から仕入れる段階では、ここは大事にしておかないといけないのです。

 

ということで、正解はこちら

親指と中指の二本だけで、なるべく触る面積を減らして持ちます

で、そのままひょいっと裏返して

こうやって眺めまわして、

「うむ。これは良いかつお節だ。」

などと物知り顔で言えば良いわけです。

このように持って吟味する姿をさらりと仲買の主人に見せつければ、

「お、この人は分かっている人だ。だまして質の悪いかつお節を売るわけにはいかんな。。」

となるわけです。(ほんとか?)

ちなみに、おうちで削るときは、もうこのカビは役目を終えた必要の無いカビなので、よく拭き取って使いましょう。食べても害はありませんが、美味しくもありません。世の中の別の記事などでは、カビは拭き取らずに削りましょうということも書いてありますが、そうする意味は特に無いらしいです。なんなら、水で洗ってもいいし、タワシでゴシゴシやっても良いくらいだそうです。この本枯れ節は世界一堅い食べ物としてギネスブックに載っているようなツワモノですから、水分もほとんど抜けて、身がギュっとしていますから、多少水で洗ったところで、品質に変化が出るほどヤワなものではないそうです。

勉強になりますね。

 

今回の話は、かつお節のタイコウさんの主人のワークショップでこぼれ話として聞いた話をまとめました。主人の主観も入っていますので、別の人から言わせれば別の意見もあるかもしれませんが、長年の経験と実績に裏打ちされた発言ですので、信じて間違いはありませんよ。

さあ、今日も楽しく削ろう。

レッツかつぶしライフ♪

 

-だしについて

執筆者:

関連記事

【男の料理】煮干しメシを炊こう

みなさん、男の料理というと、どんなイメージをお持ちですか? おそらく、「簡単」「豪快」「適当」なんていうのが大体のイメージなんじゃないでしょうか。 チャーハンを強火でジャジャジャって炒める、みたいなの …

かけ蕎麦を頼むと、主人にマークされる

かけ蕎麦は、蕎麦屋の出汁の実力がストレートに現れる かけ蕎麦というと、どうしても「一杯のかけ蕎麦」の物語を思い浮かべてしまって、なんだか、貧しい人、可哀想な人の食べ物、というイメージが強くて、なかなか …

マイタケ発酵出汁のススメ

今日は正統派、「だしと発酵」の記事です。   突然ですが、みなさん、生のマイタケをつかって茶碗蒸しを作ると、卵が固まらないという現象をご存知でしょうか。 これは、マイタケが出す酵素がタンパク …

コンビニ3社、カップ味噌汁対決!

さて、今日はコンビニで売られているカップ味噌汁を飲み比べて、また塩分濃度や裏面表示などの内容を確認することで、それぞれのコンビニの味噌汁を分析してみようと思います。 比較するのは下記味噌汁で同条件で比 …

だしを美味しく引き出す適正温度とは

  美味しい出汁を引くには、適正温度があります。 ただ、人によって言うこともまちまちで、何が正解なのか、分からなくなることがあります。 ぼくが信頼する書籍や料理人からの発言を引用すると、 下 …

だしと発酵、暮らしに関するヒントをデザインの視点を交えてお届けします。

2025年11月
« 1月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930