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かつお節を巡るエトセトラ 4 〜賞味期限について

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こんにちは。

ひさしぶりに、座学(?)の時間です。

今日は、かつお節の賞味期限についてお伝えします。

商品表示上、かつお節にもパッケージの裏面には賞味期限が書いてあります。

しかし、もしこの賞味期限を過ぎた場合、もうそのかつお節は食べられないのでしょうか。

以前、かつお節のタイコウの主人がおっしゃっていたことが興味深かったので、今回は記事にしようと思います。

かつお節に賞味期限は本来はない

まず、そもそも、かつお節ってのはですね、保存食なのです。冷蔵庫の無い時代に、いかに魚を遠く離れた上方で食べられるか、工夫をした結果がこれなわけです。

水分量も10数%、世界一堅い食べ物としてギネスブックに載っているくらいですから、適切に保存しておけば、腐るなんていうことはありません。

もちろん、湿って温度が高いところなどに保管しておくと、カビがはえることはあります。

しかし、削る前のかつお節でしたら、カビの根っこが奥まで入り込むことはないので、カビてしまったら水で洗って天日干しすれば復活します。

つまりですね、賞味期限なんていうものは、本来は無いんです。100年前のワインが飲めるのと一緒で、人間に害を及ぼす類いの腐敗さえしていなければ、健康上は問題はないのです。

タイコウの社長さんも、仕入れた鰹節の状態を見て、すぐに出せるものもあるし、1年2年と熟成して出したほうが良いものもあるので、個体によってもまちまちなんだと言っていました。

でも、商品衛生法上、パッケージして不特定多数の人に売る以上は、どんな食べ物にも賞味期限をつけないといけないので、じゃあ、だいたい1年くらいかねえということで

かなりフィーリングで、賞味期限を決めているようです。そこに科学的根拠はないみたい。

作り手がそんなことを言っているくらいですから、多少賞味期限を過ぎたところで、全く問題ありません。

ましてや、開封していなければ、大丈夫です。期限切れでも安心してどんどん使いましょう。(まあ、賞味期限がきれるほど使っていないという時点で、いかに日頃かつお節を使っていないかということではあるかもしれませんが。。。)

ただし、けずり節はですね、削った瞬間から酸化がはじまりますので、要するに時間が経つと風味がどんどん飛んで行ってしまうんです。コーヒーも挽きたてが香りが良いですよね?同じことです。

もちろん、商品としてパッケージされているけずり節は窒素が充塡されていますので、ある程度酸化は防げますが、酸素がゼロではないので、やっぱり時間が経つと徐々に風味が抜けて行ってしまうのです。

そんなわけで、作り手側が表示している賞味期限は、うちの商品として美味しく風味が保てると思う期限が設定されているということになります。

出汁をとって、旨味成分を取り出したいだけでしたら、期限が過ぎていても問題ありません。ただ、出汁の楽しみは、旨味成分だけではなく香りも大事。だから、もし賞味期限が過ぎた削り節があったなら、それはベースに使いつつ、最後に削りたての節を加えて、追いがつおをしてあげると良いです。そうすれば、うまみも香りもつけられます。工夫すれば、けっこう行けちゃうのも出汁の面白いところ。

小分けパックは開けたら使い切ろう

小分けの削り節パック、よく家庭にありますよね。なにかと便利で使いやすいかなとおもいますが、たとえば、冷奴にかけた後に、使い切れなくて、輪ゴムで止めて冷蔵庫に入れている、なんてことをしていませんか?あれ、全然だめですよ。なんせ、パックをあけた瞬間から酸素に触れるので、酸化が始まります。つまり風味がどんどん抜けていきます。冷蔵庫の匂いもついちゃいます。冷奴やおひたしにかけるかつお節は旨味成分をプラスするというより、かつお節の香りをアクセントに加えるためのトッピングですから、一度あけてしまったら、その日中に使わないと意味が無いのです。

どうしても使い切れないという方は、使い途中の削り節だけをひとつに集めておいて、ある程度溜まったらそれで出汁を取ると良いでしょう。(追いがつおはしてくださいね)もしくは、醤油とみりんで煮込んでふりかけを作ると良いでしょう。

めったにかつお節を使わない人ほど、姿節を買うべき

出典:http://www.hokkibusi.com/?pid=126924755

かつお節、普段、トッピング程度にしか使わないよ。出汁なんて取らない。って言う人には、実はむしろ削っていない姿のままのかつお節をおすすめします。なぜなら、先ほども言いましたように、削った瞬間から酸化が始まって香りが飛んでいきますが、削らなければ香りは飛ばない。しかも削りたてであればあるほど、香りが良い。ちゃんと保存しておけば1年でも2年でも持つ。つまり、1度買ってしまえば、当分それで最高の削り節を楽しむことができる。ちょこちょこパック売りを買うよりも、使う分だけを削れるので、結果的に安く済んで、しかもうまい。良いこと尽くめという状況になれるのです。ここに気づいていない人が本当に多くて、困った。もっと知って欲しいこのこと。

焼うどんに入れても別格になるし、ご飯にかけて醤油をたらすだけでも立派な食事になるし、削りたては幸せになります。これ、断言します。

削り方はちょっとコツはいりますが、慣れてしまえば、結構簡単だし、削る行為もまた楽しいですよ。

削り節ならタイコウさん一択

かつお節屋さんは日本全国数あれど、削り節を買うなら、タイコウさん一択です。

ここの何がすごいかといいますと、下記写真の食品表示をよく見てください。

一番下に注目! 製造年月日が書いてあるんです。

これ、食品表示上では、記載の義務はないんです。だから、欄外に書いてありますよね。

いつ削られたものかが分かるようになっているんです。

こんなことしている正直なかつお節メーカー、私が知る限り、他にはありません。

ここの社長の稲葉さん、本当に顧客目線でまっとうなものをまっとうな価格で提供しようという心意気がすごくて、自分の利益よりもかつお節職人とユーザーがハッピーになることが第一。不当に値引きもしなければ、不当にぼったくることもしません。当たり前のことを当たり前にやる。男気あふれるお方。話を聞くと、こういったことは他のメーカーでは出来ていないことも多いみたいなんです。(たとえば、不当に安くすると、生産者が苦しくなる。生産者が苦しいと、大量に作らないと儲からない。そうなると、巻き網で鰹を一網打尽にしなくてはいけない。すると、水産資源が枯渇する。といった負のスパイラルが起こったりするんです)

ここのを買うということは、コーヒーでいうところの、フェアトレードの豆を買うというのと同じことを意味します。

また、ここのかつお節は、枕崎産近海一本釣りにこだわっています。以前の記事にも書きましたが、一本釣りのかつお節は、本当に価値が高いです。

と、ここまでベタ褒めしてしまいましたが、別にタイコウさんと利害関係はありませんよ。笑

有名なスーパーやこだわりのセレクトショップで手に入りますが、厳しければオンラインショップでも入手できますので、良かったらトライしてみてください。

https://taikoban.shop-pro.jp/

以上、今日は、賞味期限のお話でした。

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