お店にいくと、かつお節っていろんな商品があって、どれを買ったらいいのかよくわからない!!
そこで、今日は、なにがどうなってるのか、パッケージから見るかつお節を解説します。
いろいろあっても2種類しかない
かつお節には、カビをつけて熟成させたものとそうでないものの2種類しかありません。削る厚さや、細かさ、かつお以外の節など、いろいろあるので混乱しますが、おもて面の謳い文句は気にせず、まずは裏面の表示を見ましょう。
カビをつけたものが「かつおのかれふし」、カビをつけていないものが、「かつおのふし」となります。どちらかです。他にはありません!
おもて面には、花かつおだのなんだのと書いてありますが、商品名なので無視しましょう。
ちなみに、「かつお節」は削ってある状態のことではなく、削る前のかたまりのことを指しますので、削ってあるものは「かつお削りぶし」というのが正解。
そして、ここから表面を見ましょう。
まず、「糸削り」という細かいやつは、冷奴やおひたしにかけるトッピング用。出汁に使ってもいいですが、もったいないです。
次に、厚削りと薄削りがありますが、どういう料理に使うかの目的によって変わります。厚削りはじっくり煮出して出汁をとりますので、コクのある煮物やめんつゆなどに適します。強めの調味料と掛け合わせても出汁が負けないパンチがあります。しかし、上品な香りは飛んでしまいます。
うす削りは80〜90℃で2分くらいで出汁をとりますので、香りが立ちますので、お吸い物や茶碗蒸しなど出汁そのものを楽しむものに向きます。
厚削りでじっくりうまみを出して、最後にうす削りで追いがつおして、香りをまとわせるといった合わせ技もできます。そのあたりはいろいろ試せると面白いです。
次に、「血合い抜き」とか「背節」「腹節」「雌節(おぶし)」「雄節(めぶし)」「亀節」とかいろんな呼び方があるものもあります。あー、もう混乱しますね。これはかつお節のどこの部分かということです。
「血合い抜き」は、黒い血合いの部分をなくした節です。雑味のないより洗練された出汁になります。値段も高いです。
「背節」、「腹節」は、かつおの背中の部分か腹の部分かになります。一般的に腹のほうが脂が多いのでコクが強くなりますが、雑味にもなるので背節のほうがいい出汁がでると言われているので、値段が高くなる傾向にあります。
「雄節(おぶし)」、「雌節(めぶし)」は、性別の雄雌の違いではなく、雄節(おぶし)=背節、雌節(めぶし)=腹節のことになります。
亀節は、小さい鰹の場合背中と腹を2つに割らずに3枚おろしのままかつお節にしたものを亀節といいます。形が亀の甲羅みたいな形だからこう言います。背節と腹節が一体となっていますのでそれぞれの持ち味がミックスされた状態になっていて、かの魯山人なんかは、亀節が一番うまいと書物に書いていました。
そんなわけで、まあ一口にかつお節といっても、いろいろあるわけです。
で、いろいろあるので、困ってしまってよくわからない。という感じになるのですが、
まあ、コーヒー豆とかも、モカとかキリマンジャロとかくらいしか一般の人には違いは分からないじゃないですか。それと同じようなところもあって、まあ、そんなに違いは分かりづらいので、プロじゃなければ、気にしなくて大丈夫です。お客さんが来たときには「かつおのかれぶし」。普段使いは「かつおのふし」を使っておけば大丈夫かなーと思いますよ。
余談ですが、かつおじゃない魚で節を作れば、下記写真のようにかわります。「●●●のふし」「●●●のかれぶし」になるのです。