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醬油メーカーのロゴデザインの謎

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さて、今日はロゴデザインのお話です。

みなさんご存知のキッコーマンや、ヤマサ、ヒゲタ、ヒガシマル、チョーコーなど有名醬油メーカーにはロゴマークがあります。見たことありますよね。醤油メーカーのロゴの特長は、屋号がちゃんとロゴ化されていること。これが日本酒となると、酒造メーカーのロゴというよりは、それぞれのお酒のラベルがロゴ化しているように思えます。たとえば、「獺祭」というラベルの絵は思い浮かぶけど、旭酒造という会社名やそのロゴは思い浮かばないですよね。醤油は、メーカーのブランドで売って、日本酒は商品のブランドで売るんですね。これはなんでか調べるとまた理由がありそうですが、今日は、醤油メーカーのロゴの特長に関してお話します。

 

まず、全体的に言えることは、どのメーカーのロゴも、重心がしっかりセンターにあります。あるいは、三角屋根があり蔵っぽい重厚な佇まいを感じます。どこにもベクトルが向かっていないロゴというのは、安定感や安心感、重厚感を生み出します。醤油は、変わらぬ美味しさの調味料ですから、見事に形とものがマッチしているのかもしれません。醤油メーカーのロゴがナイキみたいだったら、ちょっと心配になっちゃいますよね。

ちなみに、醤油って、江戸時代に大量につくられるようになったんですよね。それで、江戸時代って戦乱の世から平和な世になって文化もどんどん発展していったので、ロゴデザインも急速に発展していったのです。そういった当時の流れを継承しているから、なんとなくどのメーカーのロゴも江戸っぽい感じをうけます。

一方味噌メーカーに目を移してみると、なんだか意外とモダンな感じ。

 

これは、味噌はもともと醤油よりずっと歴史が古いのですが、そもそも味噌は自宅で自分たちで作るものだったので、現代のようなスタイルで味噌を売り出したのは歴史が浅いので、そういった意味ではメーカーも現代的な感じなんだと思います。もちろん江戸時代には大量に味噌が作られて味噌屋さんっていうのがありますが、なぜか醤油メーカーのようなロゴとしての定着はなかったようですね。

 

 

 

「上」の意味は?

さて、ここで、あらためて醤油メーカーのロゴをみてみますと、あることがきになります。

 

ヒゲタとヤマサには、なぜか取ってつけたような「上」があります。

なんでしょうこれ。

 

これはですね、幕末の1864年、当時物価が上昇していた時代で、幕府が商人たちにあらゆるものの販売価格を3〜4割引くことを命令したんです。しかし、当時とても質の高い醤油を作っていた7つの銘柄だけは特別に、品質が良いため「値段を下げるに及ばず」というお上のお墨付きが貰えて、「最上のしょうゆ」という称号が与えられました。

そこで、それをロゴに加えたというのがはじまりです。まさに取ってつけたものなのです。

おれたちの醤油はお上のお墨付きだぞ!という今で言う、皇室御用達みたいなもので付加価値を感じさせるものだったのですね。

現代では、このロゴを見ても、なんのことかわかりませんが、そういった歴史を紐解いていくと、それはそれで面白いものですね。

 

ちなみに、キッコーマンも、この7銘柄に入っていましたが、キッコーマンはもはや過去の栄光にすがることなく「KIKKOMAN」として別のロゴももって、ワールドワイドにやってますね。メーカーよって、味だけでなく、何を大事にしてきたか、どこへ向かおうとしているのか、ロゴをみても方向性がわかりますね。

 

イギリス王室御用達は

ちなみに、完全に余談ですが現在そういったお上のお墨付きとして世間にみとめられているマークとしてはイギリス王室御用達マークがあります。

左から、エリザベス二世女王のお墨付き、チャールズ皇太子お墨付き、エジンバラ公お墨付きになります。

面白いのは、それぞれの人のお気に入りによってお墨付きマークがあるということです。これもそれぞれのルーツがあるから別々なんでしょうね。

なので、3つ称号をもらっているお店もあれば、1つだけのお店もあります。

しかし、日本の「上」マークに比べると、随分とデコラティブなこと。さすが西洋です。日本は「上」だけ。なんだか、対照的ですね。

 

 

ということで、今日は以上!

 

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