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吉野屋1号店 巡礼

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牛丼の吉野家の1号店は、築地市場にあります。

築地の移転にともない、ここ吉野家1号店2018年10月6日に閉店となるそうです。

吉野家といえば、若い頃の空腹を満たしてくれた心の友。松屋やすき屋と違って、奇をてらったメニューなく、あくまで牛丼がメインの一本筋の通ったチェーン店。やはり、味も一本抜きん出た美味しさがあるように思います。私は、牛丼を食べるなら断然吉野家派です。

 

そんな吉野家1号店が閉店になるとニュースで見て、これは食べ納めしておかねばと思い、朝活開始です。

大江戸線の「築地市場駅」です。ここは、市場が移転したら、駅の名前はどうなるんだろう

いつもは、脇から攻めていきますが、今日はせっかくなので正門から入ります。

場内はいつもと変わらず、ターレーが忙しく行き来しています。

こころなしか、カメラをもった観光客が多いような気がします。いつもなら、警備員さんが、場内に入ろうとする観光客を阻止しますが、なんだかその雰囲気もゆるい感じがしました。もう最後だから、どうぞ見てってという心境でしょうか。

 

さあ、今回の目的は吉野家です。乾物屋には目もくれず、到着。

閉店の日までまだ1週間ちょっとあるので、混み具合は普段通りのにぎわいです。特に並ばずに入れました。

営業時間は5:00〜13:00

他の場所では考えられない築地時間。

店内はいつものように怒濤のような回転率。次から次へとお客さんが入ってきて牛丼を搔き込んでは、去っていきます。この雰囲気、嫌いじゃないです。

右に映っている店員さんはいつも居る方ですが、小柄で妙に甲高い声がここの名物です。閉店したらどこの店へ行くのかな。

注文も独特で、常連さんは「はんたま、ねぎだくだく、つゆぬきで!」みたいな呪文を着席と同時に唱えます。店員さんも即座に答えます。こういう感じも悪くない。

さあ、私も注文しました。私は常連ではないので、普通に注文しました。吉野家の黄金トリオ、牛丼並み、卵、味噌汁。合計税込500円也。安いよなあ。

お肉が丼の中心からズレて端に寄っているのが、すごいスピードでご飯によそった感が出ていて、それもまた良い。吉野家は見た目より、スピードと味です。かつて、キン肉マンがアニメの中で吉野家の歌をうたっていた「早いの安いのうまいの〜」のメロディーが心の中にリフレインされました。

いただきます。

お肉を一口。

ああ、うまい。朝一番の目覚めの牛丼の染みることよ。

ここ築地店は、かつて狂牛病で世の中が騒がれて牛丼屋が一斉に豚丼になったときも、ここだけは、和牛を使って牛丼を出し続けたという執念の味。常連の心と舌を鷲掴みにした吉野家1号店の終わりが、築地の終わりとともに運命を共に歩む、その潔さも格好いいかもしれない。

店内でいつまでも感傷にひたっているわけにはいきません。ささっとかきこんだら、ささっとお会計をしてお店を後にするのが築地流。お店の外に出て、しばし感傷にひたります。上の写真は、正面入口の脇の出入り口。1号店はあまりにお店が狭いため、カウンターの真ん中にお客さんが座っていると、奥に行けないため、奥の席に座るにはこの脇の出入り口を使う必要があります。また、カウンターも狭いので、お箸がおけません。そこで壁側にお箸が刺さっています。狭小住宅のようなさまざまな工夫がされた一切無駄のないスペースと導線がある種の機能美を感じます。

 

正面入口上の吉野家のステートメント。歴史と自信を感じます。そういえば、吉野家は海外にもありましたね。学生の頃、アメリカからメキシコへ放浪したとき、サンディエゴで和食に飢えて、YOSHINOYAのBEEF BOWLに助けられました。また、デザイナーになったばかりの若かりし頃、徹夜で仕事をして、明け方に吉野家で牛丼を食べ、出勤する群衆と逆に向かって歩いた道を思い出しました。

なーんて、吉野家チェーンがなくなるわけではないですが、1号店がなくなるというのは、不思議と寂しいものを感じました。

 

築地市場の終焉まであと1週間。

華々しく閉店する店もあれば、ひっそりと幕をおろす店もあるでしょう。たくさんの人が行き来する場所にはたくさんのドラマがあるのでしょうね。

 

夏草や兵どもが夢の跡

 

この地には何が残るのだろうか。

-コネタ

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